血液検査について

当院は心療内科・精神科ですが、必要に応じて血液検査を行っています。

気分の落ち込み、意欲低下といった症状がある場合、甲状腺機能低下症などによる内科的な病気が隠れていることがあります。その場合、甲状腺機能低下症の治療を行うことで、うつ症状が改善することがあります。

ほかにも、動悸、過呼吸といったパニック発作様の症状が甲状腺機能亢進症、不整脈、気管支喘息など内科の病気による場合もあります。それらの症状があった場合は、当院より先に内科を受診していただき、心電図、血液検査などで異常がないこと確認していただくことをお勧めします。

認知症の症状でお悩みの場合、ビタミンB1欠乏、ビタミンB12欠乏、梅毒などの感染症、甲状腺機能低下、糖尿病による血糖異常が原因であることがあります。

また、飲み薬での治療を始めるにあたって、糖尿病や肝機能障害、腎機能障害がある方には使えない薬や、容量を調節しなければならない薬があります。そのため、初診時には血液検査でそれらの確認を行います。

ほかにも、精神科の薬の一部には、定期的に血中濃度(体内に十分な量の薬が取り込まれているか)を確認することが望ましい薬(例:リチウム、バルプロ酸など)があるほか、血糖が高くなるなどの副作用が出ていないか確認することが望ましい薬があります(例;オランザピン、クエチアピンなど)。

また、漢方薬の副作用で偽性アルドステロン症といって、高血圧や体内のカリウムという電解質が減ってしまうことがあります。

ただ、患者さんご自身がどうしても採血されたくないというご希望があれば、可能な範囲でご希望に沿いますので、診察時にご相談ください。